日本経済学会からの依頼で,『現代経済学の潮流』(以下,『潮流』)の編集委員として,2004〜2006年版の編集に関わることになりました。 2005,6年版はとりまとめ役となります。『潮流』の構成について,一学会員としての私の考えと,編集委員としての立場について,この一文にて,学会員 の皆様にご説明いたします。
学会員にはご承知の通り,『潮流』には,会長講演,中原賞講演,3つの招待講演,投稿論文,秋季大会でのシンポジウムが掲載されています。このう ち,会 長講演,中原賞講演,招待講演の計5編の英語版が『Japanese Economic Review』誌(以下,『JER』)にも掲載されます。一学会員としては,これらは英語か日本語のどちらかで読めれば十分であり,日本語・英語両版を出 版するのは,資源(および学会費)の浪費だと,前から考えていました。また,秋季大会での講演,シンポジウム計6編が掲載されますが,春季大会の報告から の掲載はないこともアンバランスだと感じていました。
編集委員が『潮流』に編者として名を連ねていることから誤解されやすいですが,『潮流』の構成を決定する権限は,編集委員ではなく,常任理事会に ありま す。編集委員の役割は,機関誌担当常任理事の指示にしたがい,『潮流』を編集していくことです(ただし,投稿論文の採否は編集委員が決定します)。
今回『潮流』に関わることになりましたが,編集委員の立場と一学会員としての考えには乖離があります。これについて,2004年度春季大会特別報 告の処 遇についてプログラム委員長,常任理事,『潮流』編集委員で議論があった際に,自分の考えをのべる機会があり,私は,以下のような『潮流』構成変更の私案 を常任理事に提案しました。
『潮流』の構成変更は学会の運営に関わる問題になりますので,学会での慎重な検討が必要と思われます。私の立場は,私見を常任理事に申し上げまし たが,学会で決定された方針にしたがい『潮流』を編集することです。