パネル・ディスカション

経済学の研究と教育の評価


コーディネーター   京都大学 西村 和雄
パネリスト   京都大学 小佐野 広
九州産業大学 楠本捷一朗
立命館大学 平田 純一
大阪大学 本間 正明


 わが国の大学改革は,国立大学の独立行政法人化の段階まで進んでまいりました。行改革の文脈のなかで大学改革が議論されることには,多くの大学人が抵抗を感じていますが,教育研究活動を評価した上で,資源の有効配分を図ろうという考え方は,今後の大学運営のなかで影響力を増してくるものと考えられます。
 また,大学改革の出発点は,教育研究活動の質に対する社会からの厳しい批判が向けられたことにあります。緊縮財政のなかでも科学技術予算は他項目よりも高い伸びを認められていることも事実であり,現在の大学は,その資源投入に見合う成果をあげることを社会に説明する責任が問われています。
 しかし,学術の研究および教育の評価を適切におこなうことはきわめて困難ではないかという指摘もあり,はたして成果重視の運営システムが機能するのか,という疑問もあります。
 こうした事態の進展を踏まえ,「経済学の研究と教育の評価」と題した,このパネルディスカッションでは,以下のような課題を検討していきたいと考えています。

・国立大学の設置形態をめぐる議論は,これまでどのように進められてきたのか。国公立大学は,今後どのような形態で運営されるべきなのか。大学はどのような視点で評価されるべきなのか。
・わが国における経済学研究の評価はどのようになされているのか。今後,どのような評価手法がとられていくべきなのか。研究評価において学会が果たす役割は何か。
・わが国における経済学教育の評価はどのようになされているのか。今後,どのような評価手法がとられていくべきなのか。各大学はどのように教育の改善に取り組んでいるのか。
・大学改革の動向を経済分析の対象とすることは可能か。国立大学の独立行政法人化は,組織の経済学の視点からは,どのように評価されるのか。