(本稿は、医療経済学会会長在任中(2020年4月~2022年3月)に医療経済学会サイトに掲載された。)


会長メッセージ

 医療経済学会は設立にあたって、高齢社会での医療制度の持続可能性を課題に掲げました。高齢化の進展、生活水準の向上、医学の進歩に呼応して、医療資源は感染症から生活習慣病への対応にシフトしてきました。しかし、新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、こうした変化をとげた医療提供体制を崩壊させる脅威となりました。
 感染症の拡大を防ぐための行動変容を図るには、人間のインセンティブへの反応と社会の心理についての理解を必要とします。また、経済・社会活動の制限の判断にも、経済と社会の構造への理解が欠かせません。
 医学と社会科学が融合した学術研究の重要性はますます高まっています。医療経済学会は、医療と経済にまたがる研究発表の場を提供することを通じて、政策と実践の改善に貢献することで、社会的使命を果たしていきます。

2020年4月
医療経済学会会長 岩本康志


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