学部後期ゼミナール(4年)
【一橋大学経済学部・2003年度・通年】
【時間】 月曜・4限(14:40−16:10) 【教室】 東1号館・1306番指導室 【単位】 4単位
【担当】 経済学部・教授 岩本 康志
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卒業論文
上田 篤司 「サッチャーの税制改革」
江川 由子 「出産の機会費用と少子化対策」
近藤 岳志 「瀬戸内三橋時代における諸問題と地域経済の在り方について」
佐藤 篤信 「日本医療財政の方向」
鸖本 光彰 「第3セクター経営悪化分析と今後の公民パートナーシップ」
中嶋 啓介 「英国におけるPFIを踏まえての日本版PFIの今後の展望」
長谷川裕一 「鉄道における上下分離にみた不採算公共サービスの維持と効率化」
村澤 知宏 「間接税の効率性と公平性の分析」
[03/31/04] 少し遅れましたが,卒業おめでとうございます。はじめてゼミをもって,経験のない分,皆さんにはご迷惑をかけたかもしれませんが,
卒業式の日には全員で研究室をたずねてくれて,大変うれしかったです。ゼミの貢献がどれほどかはわかりませんが,2年間で皆さんはずいぶん成長したと思い
ます。4月からは,それぞれ新しい場所でさらに飛躍をとげるように願っています。
[02/02/04] 全員,1月30日までに卒業論文を提出。お疲れ様でした。皆,長期間がんばってきた成果が現れていると思います。この経験はきっと
皆さんの将来に生きてくるはずです。
[01/19/04] 1月19日(月)の卒業論文報告会の場所は,西本館35番教室に変更します。
[01/14/04] 卒業論文報告会は,第1部が1月15日(木)4限・5限・東1305教室,第2部が1月19日(月)4限・5限東1306教室でおこなわれます。
[10/27/03] 今後のゼミの予定を記入。
[10/08/03] 遅ればせながら。全員の進路が決定して,おめでとうございます。
[07/24/03] 冬学期のゼミは10月6日(月)から始めます。1人の発表に1回の時間を割り当てる予定です。
[02/26/03] 2月〜5月の項,一部改訂
スケジュール
4年ゼミでは,自分の「好きなこと」ができますので,意欲をもって取り組んでください。
卒業論文では,財政,社会保障,経済政策の分野で実際のデータを用いた実証分析に取り組むことを希望します。その過程で,(1)主体性をもって1つのプ
ロジェクトを管理し,実行する能力,(2)自らの力で新しいアイデアを展開し,文章にまとめる能力,(3)数量データを処理する能力,を修得することを目
指します。
以下に示すスケジュールは,ゼミの進行状況によっては,変更の可能性があります。
2月〜5月 卒業論文の計画について個別面談
[最初の個別面談までの準備]
少人数のゼミで欠席者が多数でると支障をきたしますので,就職活動が落ち着くまでの期間は,卒業論文の計画について面談による個別指導とします。面談に
臨む前には,卒業論文でどういうことをやりたいかについて自分で考える,参考文献・資料をいくつか(最低2つ)読む,A4で1〜2枚程度のレジュメ形式で
卒業論文の計画をまとめる,の3つをしてください。卒業論文の計画は勉強を進めていくなかで,どんどんと変わっていくものですので,あとでこの時点の計画
にかならずしも固執することはありません。
以上の準備が整ったら,メールでアポイントメントをとってください。できるだけ,メールを受け取ってから2〜3日以内に面談できるようにします。読んだ
参考資料と卒業論文の計画をもとに,さらに読むべき資料,論文作成の進め方についてアドバイスします。
[卒業論文のテーマ選定について]
卒業論文のテーマを固める最終期限は5月末(それより早く決まればそれに越したことはない)とし,それ以降はテーマの変更は認めないことにします。これ
を認めるとあまりいいことがありません。第1に,テーマを変更した場合,結果的に卒業論文への取り組みが遅れることになり,最終的な論文の質に深刻な影響
を与えます。第2に,途中で予定変更してもいいことにすると,最初のテーマに取り組む姿勢に甘さが出てくるおそれがあります。
走り出したら止まらないプロジェクトというのは世間ではよくあり,この種のプロジェクトへの関わり方を練習することも卒業論文の目的とします。
どうしてもテーマが絞りきれないという人が出てくることも予想されますが,その場合はとりあえず「社会保障」,「公共事業」と大きなテーマの設定にし
て,そのなかで後から絞り込んでいくというやり方でも良いことにします。ただし,望むらくは5月末の段階で,論文の方向性を示すようなテーマ(卒業論文の
論題になるものが一つの目安。卒業論文の論題は諸先輩のものを参考にしてください)まで絞り込むよう考えてください。
後戻りできずに長期間取り組むことになるので,テーマの選定でもっとも重要となる判断基準は,自分が興味をもって取り組みことができるかどうかです。興
味はそれほどないが楽に書けそうなテーマと,非常に興味があるが難しいテーマがあるとしたら,後者を選ぶべきです。卒業論文には書き手の情熱が如実に現れ
ますので,真剣に取り組まなければ,良い論文は書けません。また,どのようなテーマであっても,真剣に取り組めば良い論文が書けます。
卒業論文には主体性をもってとりくんでもらいたいということから,テーマを選ぶことや文献を調べることについては,まず学生が自分ではじめる方針にして
います。教官としてのアドバイスは,迷路にはまるおそれがある場合に軌道修正を図るなど,補助的なものにしたいと思います。この方針での論文作成では若干
の試行錯誤が生じることは避けられません。しかし,誰からのアドバイスもなく資料探しからしなければならない仕事は将来よく直面することになると思います
ので,今このような経験を積んで,自分の力で卒業論文を作成していくことを経験することは大きな助けになるはずです。
[最初の個別面談までたどりつけない事態に対するアドバイス]
卒業論文のテーマをどうやって決めていったらいいか皆目検討がつかず,最初の個別面談までたどりつけない,という最悪の事態に陥った人向けの卒業論文の
テーマの選び方のアドバイスです(なお,自分でテーマを決めて自分で調べていくのが望ましく,この方法を最初からとることを勧めるものではありません)。
(1) 『図説 日本の財政』を用いて財政のトピックを整理すると,第T部の「財政をめぐる理論」に含まれるマクロ経済学での議論,第U部の「財政投融
資」,「地方財政」,第V部の「歳入の概要と税制改正」,および第V部第3章から第10章の各性質別支出(社会保障,教育,公共事業,経済協力,防衛,中
小企業,農林水産業,エネルギー)にわけることができます。まずこれをリストにしてから,自分として興味がもてそうもないトピックを消去法で消して,
3〜5ぐらいまでしぼりこんだショートリストを作成します。のこったトピックについて,『図説 日本の財政』や財政学の教科書の該当する箇所を読み直し
て,自分が興味をもって取り組めそうなトピックを探します。
(2) 以上で1つのテーマが見つかれば,「最初の個別面談までの準備」の指示にしたがって,最初の個別面談のための準備をはじめます。複数のテーマで
迷っている場合には,3つ以内までしぼりこめないかどうかを検討します。3つ以内にしぼりこめたら,「最初の個別面談までの準備」の指示にしたがって,参
考文献・資料を自分で探して,各トピック最低2つ読みます。その上で,1つにしぼることを考えます。
(3) 以上で1つのテーマにしぼりこめたら,「最初の個別面談までの準備」の指示にしたがって,最初の個別面談にいどみます。どうしても1つにしぼりこ
めない場合には,それぞれのテーマについてA4半枚〜1枚のレジュメをまとめて,どのテーマにしぼるかを相談するために,最初の個別面談にいどみます。
(4) 以上の道筋をたどることがどうしても困難な場合は,迷路脱出のための相談として,最初の個別面談をします。
6月〜 卒業論文のための報告(第1巡)
第1巡の報告までに,卒業論文として取り組むテーマについてしっかりと文献を読んで,エキスパートになっていることを期待します。報告では,自分が勉強
したことを要領よくまとめて,何が問題であるのか,自分がどういうことを卒業論文のなかでしたいのか,を伝えるようにしてください。
準備が不足している場合には,夏休み前にもう1回報告を求める可能性があります。
夏期休暇中 合宿(3・4年生合同)
10月〜 卒業論文のための報告(第2巡)
第2巡の報告は,卒業論文の中間報告の位置づけです。ここで皆の意見を聞いて,最終的な論文の完成を目指してください。
準備が不足している場合には,年内にもう1回報告を求める可能性があります。
10月20日(4限) 近藤
10月27日(4限) 村澤
11月10日(5限:16時30分開始) 中嶋
11月17日(4限) 佐藤
11月17日(5限) 長谷川
12月1日(4限) 江川
12月15日(4限) 上田
12月15日(5限) 鶴本
1月 卒業論文報告会(3年生参加)
第1部 1月15日(木) 4限・5限 東1305教室
第2部 1月19日(月) 4限・5限 東1306教室